恐怖のインター日記その9
世間の白い目もしくは私が背広を着るわけ
男もすなる日記というものを・・・
この赤点のページには日記が置かれているが,よく日付を見ると日記といっても月ごとだったりする
もしかしたら月記(げっき)とでもいうのかもしれないが,語感が悪いので誰がなんといおうと日記で通すことを決心した(ってそんな大それたことだろうか)。
あさぱそ 来る!
インターネット関係の雑誌がどんどん創刊され,ついに片手で数えられなくなったときに,毎月買うのをやめてしまった。そんなとき,突然あさぱそ(ASASHIパソコン)から取材がやってきた。取材者は,私を見るなり「ホームページの印象と違って意外」と言い放った。
うーんそういう印象もあったか・・・じつは山吹は山吹なりにたいへんな事もあるのです。
できることなら貝になりたい
山吹は朝から夜まで,土曜日も日曜日も授業がある。当然朝から出勤してくる教員と,午後から出勤してくる教員がいる。この午後からというのがくせ者だ。
時間が止まっている近所のおばさんなんか,そういう変な時間帯に出かける人を見ては「あら,いまから学校?」と尋ねてくる。この場合の学校とは大学のことで,未だに大学に通っているのだと思っているのだ。別に間違った質問でもないので「えぇ,そうです」と答える。ちょっと勘ぐるおばさんだと「おやおやまだ卒業できないのかい」とか思われてしまう。だって,おばさん,わたし背広着てるんですけど。
悲しい誤解と勝手な理解
遠巻きに見ているおばさんは,変な時間に背広着て出かける人物を,通り過ぎるまで凝視している。世間が昼飯のための買い物時間に,商店街を横切って駅へ向かうのだから,目立つことこのうえない。
毎日日付が変わりそうな時間に帰宅するため,「あら,あの人毎晩毎晩飲んで帰ってきて」という噂になる。あの時間帯をシラフで山手線乗っているのは,わたしぐらいなんですよ,おばさん。信じて下さい。
このくらいなら,まだまし。問題は土曜日や日曜日に授業をすると,当然のことだが代休が平日に来る。平日の午後にブラブラしていると,天下御免の日曜日の代休であっても世間の目は冷たい。
そんでもって,入試があったり,文化祭があったりなどの行事があるときは朝からの勤務になるので,普通の会社員と同じ時間ぐらいに帰宅する。
朝から出かけたり,昼から出かけたり,夕方ブラブラしていたり,夜に帰ってきたり。「いったい,あの人物は仕事をちゃんとしてるんだろうか。いや,職を探しているんじゃないか」とか「もしかしたら遊び人?」というような噂も広まる。
有名税ってやつですか
さらに,山吹は単位制という珍しい学校なので,日本全国(海外からも)見学者が絶えない。いつでも突然外部の訪問者に,学校紹介をすることになる。そんなときに,まさかジャージで歩くわけにもいかない。
最近はインターネット関係の見学者も多いので,さばくのに大変。オタッキーな担当者が登場するのかと思ったら,背広がゾロゾロ出てくるので驚くのも納得かもしれない。
本当は楽な格好というのも魅力だけど,制服のない山吹。なぜか教員だけは背広を着用して,臨戦態勢なのである。もはや背広は戦闘服と化している。
・・・・あさぱそを読んだ方,そんな理由で私たちは背広を着ています。
YAMABUKI 4/25 1996