恐怖のインター日記その11

   ノーミソ直撃!電磁波の恐怖


 個人的多忙のため,日記が中断していた。世間では夏休みでも,わたしには夏働きでしかなかった。自費であちこちの民間講習会に参加すると,通勤時間帯に重なり,サラリーマンと行動をともにすることになる(3つくらい出ると1カ月つぶれます)。一部屋に押し込められると妙な連帯意識が生まれて,互いに励ましたりして面白い機関を過ごせるのだ。親でも教育関係者でもない,通常の民間人との触れ合いも大切にしたいものだ。  でも,何十万もする講習会費を出せとはいわないが,交通費ぐらいは出して欲しいです。おかげで,夏休み中はほとんど昼飯抜きなんです。
 誰か愛の手を!(いよぉーおっ,ってか)。

空気飛び交う電磁波は恐い!

 一時はポケベルだったが,PHSの登場から相乗効果で携帯電話が普及してきた。学校では授業中プルプル鳴るとうるさいという直接的な問題だけでなく,電磁波の問題もちょっと気になる。
 パソコンの画面からも電磁波が出て問題だ,なんてよく聞く。でも携帯の場合はなんたって,頭に貼り付けて利用するものだ。もし有害な電磁波であれば,ノーミソが溶けてしまうかもしれない(もっともマナーを考えずに電車の中で大声出している奴を見ると,電磁波どころか空手チョップも食らわせてやりたいが)。
 学者によっては影響無いとするエラソーな人もいるが,実際病院の医療機器を止めてしまうくらいの電磁波は放射されているわけだ。あまり気分のよいものではない。

 次世代の交通システムと言われるリニアモーターカーでも,内部に電磁波が渦巻くみたいで,実験車両に乗ったテスターの腕時計が壊れたとかの話を聞いた(現在では改善されているでしょうが)。へたな設計をすると,放射能漏れじゃなくて電磁波漏れで,電磁波のシャワーを浴びることになりかねないのであった。
 この電磁波をちょっとひねると,キナ臭いものになる。007に出てきたゴールデンアイっつーのがまさにそれで,電磁波を兵器として使っている(この映画には多数のパソコンが登場するので,マニアは必見。ゴールデンアイはOS/2で動いているのだ)。

商売したり恐がったり

 不確かなものでも不安な部分をあおれば売れるということで,ちゃんと耐電磁波グッズも登場している。たとえばOAエプロンとかOAグラス(サングラスみたいの)とかがそうだ。でも,うちの茶髪軍団がサングラスしてエプロンしてパソコンの授業に臨んでいたら,なんか妙な感じである。一歩間違えると,バーチャルリアリティの授業に見えたりするかもしれない(将来の授業ってば,アレですよね。グローブはめて,遠くの生徒をバシッっとかたたいたりして,ヘッドギアで痛みを感じるっての。廊下に立たせるのも体罰になるっていうから,仮想空間にバーチャル廊下作ったりして)。

 もし,電波全般に問題があるなんてことになったら,現代社会はパニックになってしまう。ウォークマンだってワイヤレスあるし,家電品はリモコンだらけで家中が赤外線パニックな今日である(我が家ではリモコンの信号を覚えるリモコンを使っていますが)。それ以外にも,ハムや船舶無線や警察無線,何基もの衛星からTV映像が降り注いでいるし(なんたってスペースシャワーっていうのもあるくらいだし),そもそも普通のTV放送だって電波だ。
 もし,あらゆる電波が目に見える眼鏡があっても,ちょっと恐くてかけられない。それこそ世の中がクモの巣のように電波が走っているのが見えるだろうから。これが本当のワールドワイドウェッブ(クモの巣)ではなかろうか。

みんな,授業中はスイッチ切ろうぜ! 電車でもだぜ

 ウォークマンの時も,シャカシャカ音が他人の迷惑になると言われ出してずいぶんしてから,メーカーが遮音対策のヘッドホンを出したりした。でも,音の出しすぎによる使用者の難聴対策はあまりされていない。
 同じように携帯電話も話し声が回りに迷惑になるが,こっちはマナーの分野で,逆に使用者の健康対策がメーカーの分野になる。
 もっとも遮音ヘッドホンの能力をさらに超える大音量で聞いているダメな奴も多いわけで,携帯も対策がされても電波を強めるシールなどで無意味にしてしまうかもしれない。困ったもんだ(若者は学校で注意されるけど,おっさんはどこでも注意されない。これは不条理だ。自分で気を付けなさいね)。そもそも震えて教える機能が付いていたって,電車の中ではみんなプルプル鳴らしていて,機能が使われていない。
 もしかしたら,恐いのは電磁波ではなくて,マナーを無視して機器を利用する人間そのものなのかもしれない。


                               YAMABUKI 7/15 1996