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2006年04月19日

【問題】日本の死刑執行方法は?

先週読了しました。

「死刑はこうして執行される 講談社文庫」

まず、私は死刑制度を存置するべきだと考えています。それは自らの死を持ってしか償えない罪というものがあると信じているからです。そんな私ですら、この本を読むことで日本の死刑制度に疑問を感じました。

ちなみに、この本の著者は死刑制度に関する議論をするためのベースを提供する事を目的としてこの本を執筆したようです。しかし、文章全体に流れている雰囲気からは、著者の考えの根底に「死刑制度を廃止するべき」という考えがあるように感じられました。そのことを念頭に置いて読む必要がありそうです。

読了後、2つの事を考えました。

1つは、死刑執行方法を薬物注射等の受刑者の苦痛が少ない者に変更すべきだという事です。死刑囚は死を受け入れる事が自体刑罰なので、懲役刑のように強制労働はありません。厳密に言えば死に至れば刑が完了するわけで、その際の苦痛自体も刑の本質からすれば余計なものだと考える事ができます。

死刑が存置されているアメリカ合衆国の州がいくつかありますが、そこで実施されている処刑方法は「電気椅子」か「薬物注射」が主なようです。場合によっては、死刑囚自身がどちらにするか選択できるそうです。薬物注射も予め睡眠薬で死刑囚を眠らせておいてそこへ薬物を注射するというような方法であり、言葉で聞いている限りでは日本の処刑方法よりは苦痛が少なそうです。

2つ目は、死刑が確定してから処刑されるまでのプロセスや死刑が執行される囚人を決定する基準等をもっと明確にして公開すべきだという事です。書籍の中では執行される囚人の選定は本人の精神状態や再審請求等の状況、確定からの経過期間等をもとに判断されるとなっていますが、それらも過去の事例からの推定や著者の取材によるもので、明確な執行までの作業フローや決定プロセスは法務省の闇の中なのです。悪い言い方をすれば、法務官僚の思いのままにもできるわけです。

人間の生命を奪うという究極の刑罰を執行するプロセスが明確に国民に説明されないまま、死刑存置を意図する法務官僚の恣意的な判断にのみ委ねられて良いわけがありません。国民の関心も高く賛否両論ある死刑制度であるからこそ、その全てを白日の下に晒し、公表するべきだと考えます。

問題の答え:日本における死刑執行方法は、すべて「絞首刑」です。

投稿者 abiru : 01:18 | コメント (2) | トラックバック