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2007年02月16日
YAMAHA MSX
以下、社内SNSに書いた日記の転載
「YAMAHA MSX」(詳細・型番不明)
これが、私が生涯で初めて触れたコンピュータというもの。詳細な型番は失念してしまった。親類の方が不要になったものを譲り受けたものだった。MSXにはファミコンのカセットのようなカートリッジが装備されていて差し込むだけでゲームができた。たしか今から考えると恐ろしくしょぼいサッカーのゲームに熱中していたっけ。
MSX-BASICも搭載されていたが、アホ小学生の私に使えるわけがなかった。それでも「コンピュータは何か凄い事ができる機械のハズだ。」と信じリファレンスマニュアルを1ページ目から読んでは何度も挫折した。
当時、リファレンスマニュアルの1番最初には「ABS関数」の項があった。ABS関数の説明文の最初には確かこう書いてあった「ABS関数は絶対値を演算します。」と。。。「関数」「絶対値」「演算」いずれも小学校4年生には読めず、しかも理解不能で宇宙からの言葉のようだった。
そんなある日、リファレンスマニュアルをペラペラめくっていると、次のような記述が目に入った。
PRINT 1+1
たしかダイレクト・ステートメントに関する項だったと思う。何気なくこのコマンドをマネして入力してみた。どうやってReturnキーを押す事を知ったかは今では定かではない。しかし、私はEnterキーを間違いなく
押した。すると目の前のテレビの画面は以下のように変化していた!
PRINT 1+1
2
OK
1+1=2これなら小学生の私にも理解できた!しかもコンピュータはご丁寧にも私に対して「OK」と返答までしてきた!次の瞬間、私はW杯でGOALを決めたサッカー選手の如くガッツポーズで天を仰ぎ絶叫した。脳内では生まれて初めてコンピュータという複雑怪奇な機械に命令し、それに従わせた事を祝うファンファーレが鳴り響いていた。ように感じる。
ともかくこれが私とコンピュータというものの、ファーストコンタクトだった。今でもこの日の感動を昨日のように鮮明に覚えている。
その後、とりつかれたように様々な数字の組み合わせで四則演算を繰り返し、何度も何度も、実行してそれが間違いなく計算をしている事を確認した。
この日から私のコンピュータ・ヲタな人生が幕を開けたと言っても過言ではない。ヘンタイと言われてもいい、この日私はコンピュータに一目惚れした。
今でもコンパイルが通った時、意図した通りの処理結果が得られた時、「おっしゃあぁぁ~!」とガッツポーズを決める瞬間にあの日の事を思い出す。
仕事が辛くてじけそうな時にも、目を閉じてあの日の感動を反芻する。
大人になった今も、あの日と同じ感動を求めてPCの前に座る自分がいる。
これが私の出発点・・・。