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2008年09月08日
Google Chromeに対する所感
いまさらだが、Google Chromeに関して書いておこうと思う。
■なんでいまさら、Googleが「ウェブブラウザ」をリリースしたのか?
Firefoxでも、Safariでもブラウザはいくらでもある。今更「車輪の再発見」的な作業にリソースを投入するのは、何かそれなりに意味や狙いがあるのだろうけれど。この点に関する考えは、後半の所感で。
■IT系情報サイトでの「速い!速い!」の大合唱について
ブラウザのレンダリング速度ってそんなに重要か?個人的にはネットワークやアプリの応答時間の方が遥かに長くてレンダリング速度なんて処理時間全体にとっては微々たるものでしかなく、レンダリング速度を褒めたり、競争してもあまりユーザにとってのメリットはないように思うのですが・・・。もしかしてAjaxばりばりのサイトとか使ってると、レンダリング速度やJavascriptの処理速度が致命的な影響を与える可能性もあるのかな。IT系情報サイトの中の人たちは、Google Chromeが目指す本質を見誤ってないか?
■なぜ、Google Toolbarに相当する機能が搭載されていないのか?
同じ会社で開発してるんだし、Google Chromeが「ウェブブラウザ」だっていうなら、デフォルトでGoogle Toolbarに相当する機能が搭載されていていいはずだ。なのに無い。だからGoogle Toolbarが(特にカスタム検索機能が)大好きなあびるは、Google Chromeを試使用だけして、以後、使っていない。これには、あえてウェブブラウザとして高機能化させていない意図が存在するように思う。
■Google Chromeに対するあびるの所感
Googleは、全てのアプリが完全にWeb化され、シンクライアント化された、完全なるクラウドコンピューティングの世界を目指しているのだと思う。
しかし、それを一気に実装しても世の中の大多数の人は、そのシステムの利点を理解できないし、利用形態の変化についてこれないし、大きな犠牲を払ってまで移行もしたくないものだ。
だから、Googleは、あえて、ちょっとずつ、世の中の多くの人がギリギリ理解したり、なんとかついて来れるぐらいの速度でイノベーションの結果をリリースしているのだと思う。
だから、Google Chromeも単なるマイルストーンというか、時代の過渡期に一瞬だけ咲いたあだ花のような存在になるはずだ。
現段階でGoogle Chromeに与えられた使命は、まず、ユーザが「ウェブブラウザというアプリを起動する」という行為を意識しないようにする事ではないだろうか。
でも、一足飛びに「Google Chromeを入れれば、もうブラウザは不要です♪」なんてアナウンスしても、世の中の人たちは「ハァ!?」となってしまうので、あえて、みんなにわかりやすい「ウェブブラウザ」という姿を借りてGoogle Chromeはリリースされたのだと思う。
ぜひ、Google Chromeの今後の進歩を見守って欲しい。きっと徐々にウェブブラウザ存在感を薄くしながら、Google Chrome自体を意識する機会が少なく、でもGoogle Chromeが無いとウェブアプリが快適に利用できない方向へと舵が切られていくはずだ。
Google Chromeは、Googleが目指す理想のコンピューティング環境へと世の中の人々を連れて行くための長い階段の一段に過ぎないと思う。