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2005年01月16日
なぜアポロ計画は継続されないのか。
◆◆◆なぜアポロ計画は継続されないのか◆◆◆
■はじめに
友人が主催する掲示版でタイトルにあるような問題提起があり名指しでネタをふられたので自分のブログの方に私なりの考えをまとめてみたいと思います。本当はもう少し夢のある内容を書きたいところでしたが、ありきたりでつまらない内容になってしまいました。どうかご勘弁を・・・。1つ目の政治的理由については、よく一般的に言われている内容です。2つ目の研究対象の変化という考え方は、少しだけあびる独自の考えが含まれているかもしれません。
このテーマに興味のある人は続きを読んでみてください。
■疑問点の再確認
有人月着陸計画が1972年のアポロ17号以降、現在に至るまで実施されていないのはなぜか。
■疑問点に対する私見
理由は大別して以下の2つがあると考えます。各項目について次項以降で詳述します。
・アポロ計画を継続する政治的理由が無くなったため。
・研究対象が月以外の惑星に移ったため。
■理由1:政治的理由
アポロ計画自体がソビエトとの宇宙開発競争に勝利するために立案された政治色の強いものであると言えます。これは1961年に行われたケネディ大統領の「1960年代が終るまでに人類を月に着陸させ、無事に帰還させる」という演説からアポロ計画が開始されたという事実からも判ります。その後、アポロ計画は急速に推進されケネディの演説から、わずか8年後の1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸を達成します。当時、同様の計画がソビエト側にもあったようですが失敗に終っています。このアポロ計画の成功により名実共に米国はソビエトとの宇宙開発競争に勝利した事を世界にアピールすることができました。その後、冷戦は終結しアポロ計画に莫大な予算を割く政治的な意味は薄れました。また、ベトナムの戦況悪化、アポロ13号の事故なども決定打になったものと考えられます。
■理由2:研究対象の変化
アポロ計画の当時、私は生まれていないので当時の世間の雰囲気がどんな状況であったかはわかりませんが、当時は宇宙について研究する事が最も先進的であると考えられ、研究対象の主流になっていたと思います。しかしその後、環境破壊や地球温暖化が問題視されるようになり、研究対象の主流もそれに合わせてクリーンエネルギーの研究や環境保護へ直接つながる分野にシフトしたのではないでしょうか。簡単に言えば「月よりも前に自分達の住む惑星のシステムをもっと正しく理解しないとヤバい」という認識が一般的になり、宇宙科学の分野でも地球自体について研究することに重心が置かれるようになったものと考えられます。しかし、地球外の惑星を研究することで地球自体に対する研究も進歩する事も事実であり、そう言った意味で考えると月よりもより地球に環境が近い火星が研究対象として注目を集め、火星への有人飛行計画が検討されている事も納得できるところです。
■補足と訂正
友人の掲示版にあった書き込みに一部事実と異なる内容があったので指摘させて頂くと共に訂正しておきたいと思います。
※初めて月面に着陸したのはアポロ11号です。アポロ4号は大気圏再突入のテストをしたもので、月面着陸はしていません。
■参考文献
このエントリを作成するにあたり参照した文献は以下の通り。
・もういちど月へ - 科学技術振興機構
http://jvsc.jst.go.jp/universe/luna/index.html
・アポロ マニアックス
http://www2k.biglobe.ne.jp/~t_muto/apollo/
■おわりに
いやぁ、友人からの思わぬネタふりのおかげで、とても良いエントリが書けました。こういったネタふりは大歓迎です!これからもよろしくね♪でも、あんまり難しいのは勘弁ね。あとコンピュータ系の話題をふるとマニアックすぎる内容を書く可能性が高いのでご容赦ください。
投稿者 abiru : 2005年01月16日 05:52
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