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2005年08月23日
亡国のイージス
21日に両親と共に新宿の映画館で「亡国のイージス」を観た。原作小説を読んで、作品の秀逸な内容に感動していたので非常に期待していたのだが、残念ながら原作を読んだ後では物足りない内容であると言わざるを得ない映画だった。
900ページ近い小説の全てが2時間足らずの映画の尺に収まるわけは無いので、どこかをカットしなければならない事情は理解できる。しかし、この脚本では「いそかぜ(イージス艦)」の出航から始まるので登場人物の背景や事件に至る経緯説明が殆んど皆無なのだ。うっかりすると、だた艦内でドンパチやって、はい!おしまい。というような印象になりかねない作品だった。そのくせ随所に小説に書いてあるシーンがカットされずに前後の脈略を無視して飛び出てきたりする所もあるので、原作で予習していない人には意味不明なカットやセリフが随所にあるはずだ。
なんだか、2時間に渡って長大な原作小説の「予告編」を見せられたような気分になる作品だ。原作の販売部数を伸ばす為だけに撮影したのであれば作戦は大成功だろう。
いっそのこと、イージス艦と化学兵器を使った国家への反逆という主題だけを拝借して全く別のタイトルでストーリーを再編成した方が良かったのではないか?もしくは、スターウォーズ級のシリーズものとして原作小説の一言一句を余さず映像化するしかないと思う。
本当に惜しい。
ところで・・・・。
・原作にあった航空機墜落が全く存在しないのは昨今の航空機事故に配慮してですか?
・原作ではF-15だった戦闘機がF-2になってるのは防衛庁のご意向ですか?
・F-15が対空ミサイルで撃墜されるシーンがカットなのも防衛庁のご意向ですか?
・原作では北朝鮮と名言していたのが「某国」となっているのは、ご時世を反映してですか?
・ジョンヒに対する説明が皆無で彼女の登場理由が意味不明なままですが?
原作者の福井晴敏氏は本当にこの作品に納得しているのでしょうか?
怒り狂っていませんか・・・?
投稿者 abiru : 2005年08月23日 23:44
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